【キングダム5話あらすじ・考察】「異母弟」成蟜はなぜ竭氏と手を組んだ?

松明の明かりを頼りに地下道を進む三人の水彩イメージ 1話~100話

※この記事には漫画『キングダム』第5話「異母弟」のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。

きんねぇさん
政は秦の王なのに、どうして地下道を通って逃げることになったの?

ネコ軍師
王になったときから、朝廷では大臣たちが力を握っていたんだ。そこに弟の成蟜が入り込んで、政を討つ計画が動き出すよ。

きんねぇさん
地下道では、信も政の背中を見ながら漂のことを思い出すのよね。三人で歩いているのに、まだ気持ちはばらばらに見えたわ。

ネコ軍師
そこがこの回の見どころだね。地下道で三人が何を話したのかを追うと、王宮の争いが信たちの足元まで届いていることが分かるよ。

まず結論|第5話の重要ポイントは4つ

きんねぇさん
政が追われる理由を知りたいけれど、大臣の名前が出てくると、誰がどっち側なのか迷うのよね。

ネコ軍師
右丞相の呂氏は政の後ろ盾。左丞相の竭氏は呂氏の対抗勢力だよ。そこに成蟜が何を持ちかけたかを押さえると、話が見えてくるね。

  • 黒卑村が兵に襲われる中、貂が信と政を地下の抜け道へ案内する。
  • 貂は西方の山民族だと明かし、信は漂をめぐる政との決着をひとまず先へ延ばす。
  • 政は十三歳で即位した経緯と、呂氏・竭氏に分かれた朝廷の事情を話す。
  • 成蟜は呂氏の留守を狙い、政を討って昌文君一党に罪を着せる計画を竭氏に持ちかける。

キングダム第5話「異母弟」の基本情報

話数 第5話
サブタイトル 異母弟
収録 単行本1巻
主な舞台 黒卑村と地下の抜け道、竭氏の屋敷の城壁

キングダム第5話「異母弟」のあらすじを時系列で整理

黒卑村の襲撃を背に、三人は地下へ入る

反乱軍の兵が黒卑村の人々を襲う中、信・政・貂は岩場の穴へ入ります。貂に言われたとおり、三人は暗い通路を壁づたいに進み、途中で松明に火をつけます。

明かりがつくと、信は政の服についた血に気づきます。政のけがを疑いますが、血は天井から落ちてきたものでした。政は、兵たちが村の人々を皆殺しにするつもりだと見ます。抜け道に入った三人にも、地上で起きていることが伝わる場面です。

貂が素性を明かし、信は政との決着を先に延ばす

信が地上に家族はいないのかと尋ねると、貂は家族はいないと答えます。話は二人が王に対して遠慮なく口をきく理由へ移り、貂は自分が秦人ではなく、西方の山民族だと明かします。一族は山を追われて黒卑村へ流れ着いたと聞いており、すでに皆亡くなっていました。

先を歩く政の背中を見ながら、信は漂の死を思い出します。漂を失った怒りは政に向いたままです。それでも信は、追っ手をまき、邪魔の入らないところに出るまで決着を先に延ばすと決めます。

夜の岩場から抜け道へ入る三人
夜の岩場から抜け道へ入る三人(イメージ)

政が反乱を防げなかった事情を語る

貂は、反乱を予想できていたなら、なぜ先に止めなかったのかと政に尋ねます。政は自分にそれだけの力がなかったと答え、祖父と父が相次いで亡くなり、前年に十三歳で即位した経緯を話します。

朝廷では、政の後ろ盾となった右丞相の呂氏が勢力を伸ばし、左丞相の竭氏が対抗していました。話を聞いた信は、大臣同士の争いがどうして王を追い出すところまで進んだのかと疑問を持ちます。そこで、ひそかに王位を狙っていた成蟜と竭氏のつながりが明かされます。

成蟜が竭氏を訪ね、王位を奪う計画を示す

場面は、成蟜が夜に竭氏の屋敷を訪ねたときへ移ります。城壁の上で会った成蟜は、呂氏が父の即位を支えたことを語りながら、商人から丞相へ上り詰めた呂氏を見下します。さらに、工人の家から剣と筆の才で身を立てた臣下の敦を呼び出し、そばの大男に殺させます。

続いて成蟜は、呂氏が魏への遠征で留守のうちに政を討つよう竭氏に持ちかけます。王を守る昌文君の一党を反乱の首謀者に仕立て、自分が新王となって朝廷を治める筋書きです。竭氏が呂氏の帰還を気にすると、成蟜は函谷関の兵力を使えることを示し、政務を竭氏に任せると言います。最後に竭氏は成蟜に頭を下げます。

地下道を歩きながら事情を説明する政と、話を聞く信と貂
地下道を歩きながら事情を説明する政と、話を聞く信と貂(イメージ)

第5話の主な登場人物

信 漂の死をめぐる怒りを抱えながら、政と地下道を進む。
嬴政(えいせい) 十三歳で即位した秦王。反乱を防げなかった事情を語る。
河了貂(かりょうてん) 抜け道の案内役。自分が西方の山民族だと明かす。
成蟜(せいきょう) 政の異母弟。王位を狙って竭氏に協力を求める。
呂氏(りょし)と竭氏(けつし) 右丞相と左丞相。朝廷の二つの勢力の中心。
敦 工人の家に生まれ、剣と筆の腕で身を立てた成蟜の臣下。

地下道で、信が政との決着を急がなかった理由

きんねぇさん
政の服に血がついていると、信はけがをしたのかって聞くのよね。そのあとで漂のことが頭をよぎるのが切なかったわ。

ネコ軍師
一緒に逃げている間は、目の前の相手の様子にも気が向く。でも、政の背中を見たら漂のことが戻ってくる。その両方がこの場面にあるんだ。

信が政のけがを心配するような言葉をかけたあと、壁に手をついてうつむく姿が描かれます。政と並んで逃げる自分に、信は折り合いをつけられずにいるように見えます。

ただ、いま争えば地上の兵から逃げ切れません。信が決めたのは、追っ手をまいてから政と向き合うことです。二人が同じ方向に歩き出したこの段階では、抜け道を進むという当面の目的が重なっています。ここに漂の死をめぐる問題を残したまま話が進むので、政の説明にも緊張感があります。

貂が王の前でも遠慮せずに話せる理由

きんねぇさん
信の口のきき方を気にした貂が、自分も政に遠慮しないのが面白かったわ。

ネコ軍師
貂にとって政は自分が仕える王じゃない。その距離があるから、王なら反乱を防げたはずだという素朴な疑問も、本人にぶつけられるんだね。

信にとって、貂は黒卑村で出会った案内役でした。ここで貂の一族が村に流れ着いた経緯が語られ、村にいた理由が少し見えてきます。貂は追放の理由までは知らないと話しています。

貂の問いが出たとき、信も政の対応に疑問を抱きます。二人にとって、王であれば命令一つで兵を動かせそうに思えます。貂が聞きにくいところを言葉にするから、政の答えが私たちにも届きます。抜け道を知る案内役が、王宮の話を引き出す役目も果たしているんですね。

十三歳で即位した政に、なぜ反乱を防ぐ力がなかったのか

きんねぇさん
即位の場面はあんなに立派なのに、地下道で語る政の言葉は静かだったわね。

ネコ軍師
政は自分に反乱を止める力がなかったと話すよ。大勢の前で王になることと、朝廷で自分の考えを通せることには隔たりがあったんだ。

政を支えた呂氏は、政の後ろ盾になることで自身の勢力も強めます。その一方に竭氏がいて、朝廷は二つに割れていました。若くして即位した政は、自分の地位を支える大臣がいる一方で、その大臣同士が競う朝廷に立たされていたのです。

地下道での政の答えは、そうした力関係を本人の側から語ったものです。王なのに逃げるのかという貂の疑問に、政は自分の立場を飾らず答えます。この率直さがあるから、反乱を予想していたことと、防げる手段があったかどうかを分けて読めます。

成蟜は敦の何を見ていたのか

きんねぇさん
敦は剣も筆も使えて、屋敷を持つまでになった人なのね。その経歴を話した直後に殺させたのが、いちばんこたえたわ。

ネコ軍師
成蟜自身が敦の才を知っているからこそ、生まれを優先する考え方がはっきり出る場面なんだ。政や呂氏への言葉にも、同じ見方が表れているよ。

成蟜は、敦が自分の力で身を立てたことを竭氏の前で説明します。そのうえで敦の出自を見下し、呂氏が商人の出であることや、政の母の身分にも話を広げます。

ここで思い出すのが、下僕から大将軍を目指した信と漂です。二人は、稽古を重ねて今の身分から先へ行こうとしていました。その夢を知って読むと、敦の場面は成蟜の残酷さに加えて、どんな人に道が開かれる国であってほしいかという問いにも見えてきます。

成蟜は何を示して竭氏を引き入れたのか

きんねぇさん
竭氏は政を討つと聞いたとき、すぐには乗らなかったのね。

ネコ軍師
討ったあとに呂氏が戻ってくる。その先まで考えないと、竭氏には乗れない話だったんだ。成蟜はそこを見越して兵力と政務の話を出すよ。

夜の城壁で話す成蟜と竭氏
夜の城壁で話す成蟜と竭氏(イメージ)

成蟜が示したのは、呂氏の留守という好機だけではありません。昌文君の側を反乱の首謀者にすれば、竭氏は王を討った側から、反乱を鎮めた側へ立場を変えられる。そんな筋書きを成蟜は用意します。

竭氏は、呂氏が大軍を率いていることも気にかけます。成蟜は函谷関の兵を挙げて帰還への備えを示し、自分が王になれば政務は竭氏に任せると伝えます。成蟜には王位が、竭氏には政務を握る見返りがある。最後のお辞儀は、二人の利害がそこで重なったことを示すように読めます。

サブタイトル「異母弟」が示すもの

きんねぇさん
「異母弟」と聞いて家族の話かと思ったけれど、成蟜は兄の母親の身分を王位の話に持ち出すのね。

ネコ軍師
兄弟という関係を知ると、成蟜が誰を玉座にふさわしいと思っているのかも見えてくる。題名が反乱の理由につながるんだ。

政と成蟜は父を同じくします。成蟜は母の出自の違いを持ち出し、自分こそが王位にふさわしいという考えを示します。その一方で、実際に王位を狙うには竭氏の協力が必要でした。成蟜が血筋にこだわるほど、話の結末で交わされる政治の取引が印象に残ります。

第5話を読み直して感じたこと

私が読み返して引っかかったのは、信が政の服の血を見て、まずけがを尋ねるところです。漂のことを考えれば穏やかでいられない相手にも、目の前で異変があれば声をかける。その直後、血が地上から落ちてきたと知って、信の目は村の人たちにも向きます。

城壁では成蟜が敦の生まれを語り、地下では信が貂に家族のことを聞きます。相手の素性が話題になる二つの場面を見比べると、人をどう見るかという違いがよく残りました。

キングダム第5話のよくある疑問

第5話のタイトルと収録巻は?

「異母弟」です。漫画『キングダム』の単行本1巻に収録されています。

成蟜と政はどういう関係?

成蟜は政の異母弟です。第5話では、母親の身分の違いを持ち出しながら、竭氏に兄の王位を奪う計画を示します。

政は何歳で秦王になった?

政の説明では、前年に十三歳で即位しています。

貂は秦人なの?

貂は自分が西方の山民族だと明かします。一族は山を追われて黒卑村に流れ着いたと聞いていました。

成蟜は誰に反乱の罪を着せるつもりだった?

政を守る昌文君の一党です。成蟜は、彼らを反乱の首謀者に仕立て、竭氏が討伐する形を提案します。

まとめ|王宮の争いが、三人の逃走につながった

第5話「異母弟」は、黒卑村から逃げる信たちのあらすじを追ううちに、政が追われる理由が王宮の側から見えてくる回です。考察の軸になるのは、政が王として使える力の乏しさ、成蟜の血筋へのこだわり、そして竭氏に示された取引です。

王宮で交わされた計画を知ってから冒頭に戻ると、黒卑村の襲撃が違って見えます。信は、その争いで漂を失い、いまは政と同じ道を歩いています。政との決着を先に延ばした信が、事情を知ったあとでどう動くのかが気になる終わり方でした。

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